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ユーラシア大陸原産のグミ科の植物である「サジー(シーベリー)」。日本ではまだなじみが薄いフルーツですがその歴史は長く、海岸や砂漠などの過酷な環境下で貴重なビタミン源として用いられてきました。ここでは、サジーの原産地や品種、味わいの違いを詳しく紹介します。好みに合うサジードリンク選びにぜひお役立てください。
サジーとはどんな植物?
サジーは、ユーラシア大陸やアジア各地に生息するグミ科の植物です。降水量が少なく、寒暖差の激しい高山や砂漠、紫外線の強い地域でも生育でき、その厳しい環境に耐えるため、サジーの果実には豊富な栄養素が含まれています。実の大きさは直径5mm~1cm程度で、濃いオレンジ色や黄金色をしています。
サジーは200種類以上の栄養素を含んでおり、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB群、鉄分、アミノ酸など美容と健康に欠かせない成分もたっぷりと含まれています。
また、サジーは厳冬に旬を迎えますが、とげが多く、果実はやわらかくて傷つきやすいため、収穫は非常に困難です。農家の方が実を一つひとつ丁寧に摘み取ることで、果実を傷めず新鮮な状態を保っています。
サジーの歴史と言い伝え
サジーは最古の植物のひとつにも数えられ、古くよりモンゴルや中国では滋養源として使われていました。200種類以上の豊富な栄養素を含んでおり、その高い栄養価から、ロシアでは宇宙飛行士の健康飲料として用いられていた歴史もあります。
また、サジーはギリシャ神話にも登場し、空飛ぶ白馬・ペガサスの好物だったという言い伝えも。サジーの栄養が世界中で頼りにされてきたことがわかるエピソードです。
食用以外にも!世界各国でサジーはどう使われている?
サジーの産地の一つである内モンゴルでは、今でも健康のための日常食として重宝されています。サジーの実をつぶして砂糖やはちみつを加えたジュースをはじめ、オイルは喉の痛みや胃の不調への対処にも使われます。
また、世界三大伝統医学のひとつ、インドのアーユルヴェーダでは、正式にサジーの効果が認められています。アーユルヴェーダの滋養材料で認めている植物はたったの79種類ながら、その内のひとつにサジーも入っています。5000年以上も前から、健康のために利用されてきました。
日本では、サジードリンクなど健康食品の原料として用いられているほか、庭木や生垣としても価値があり、サジーは世界各国で幅広い用途で用いられています。
サジーと違う?「シーベリー」とは
日本では「サジー」の呼び名が用いられていますが、いまだ名前は定着しておらず、世界各地の呼び名は様々です。よく耳にする「シーベリー」は欧州、「シーバックソーン」というのはアメリカでの呼び名です。このほか、サジーの名産地である内モンゴルでは、サジーのことを「チャチャルガン」と呼んでいます。
サジーの品種
サジーは自生する地域により特徴が異なり、環境が過酷であるほど栄養価が高くなる傾向があります。最近の研究では6種17亜種存在するとも言われ、それぞれ果実の大きさや色、成分に違いがあります。ここでは、代表的な「シネンシスサジー」「ビコアサジー」を紹介します。
シネンシスサジー
サジーは、無皮組と有皮組の2つに大別されます。その中でもシネンシスサジーは、果実に皮のついていない「Hippophae(ヒポファエ)」という種類に分類されるサジーです。ごく一部の地域でしか収穫できない希少種で、小ぶりの実の中には、他の種類と比べて最も優れた栄養価が含まれています。
ビコアサジー
ビコアサジーは、シネンシスサジーの品種のひとつです。濃いオレンジ色をした小さい実には、非常に高い栄養価を含んでいます。
品種によってサジージュースの風味は異なる?
サジージュースには独特の酸味がありますが、その正体はクエン酸やリンゴ酸などの栄養成分です。栄養成分が豊富な果実ほど酸味を感じやすくなりますが、風味の感じ方は人それぞれ。また、製法や添加物によってもサジージュースの味わいは異なります。
素材そのものの味を楽しむなら無添加、毎日続けやすいものを選ぶなら甘味料を加えたものなど、お好みの味や用途で選んでみてはいかがでしょうか。