栄養豊富で近年美容や健康に良い食材としてSNSなどで注目を集めているのが、「サジー」です。
しかし、「サジーは本当に安全なの?」「副作用や危険性はないの?」とそのリスクについて気になっている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、サジーの副作用やリスクを解説します。
サジーに含まれる主な栄養素
サジーのリスクについて知るには、サジーにはどんな栄養素が含まれるのかを把握することが必要です。はじめに、サジーに含まれる主な栄養素を確認しておきましょう。
ビタミン群
ビタミンA、C、E、K1、葉酸、ビオチン、パントテン酸などが含まれます。
ビタミンは体のコンディションを健やかに保つために欠かせない有機化合物ですが、体内ではほとんど合成できないため、食物から摂取する必要があります。
ミネラル類
鉄、カリウム、カルシウム、亜鉛、ナトリウム(食塩相当量)、銅、マンガン、ニッケル、カルシウム、リン、マグネシウム、セレン、ヨウ素、クロム、モリブデンなどが含まれます。
ミネラルは、五大栄養素の一つであり、体内で作ることができないため、食品から摂取する必要があります。
アミノ酸
チロシン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、バリン、アルギニン、アラニン、グリシン、プロリン、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン酸、トリプトファンなどが含まれます。
アミノ酸は、タンパク質を構成する栄養素です。20種類あり、ひとつでも欠けるとタンパク質を合成できません。20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できないアミノ酸(イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トレオニン(スレオニン)、トリプトファン、バリン、ヒスチジン)を必須アミノ酸と呼びます。サジーには必須アミノ酸も含まれるのが嬉しいところです。
フラボノイド類
アントシアニン、イソラムネチン、ケルセチン、ルチン、ケンフェロール、総プロアントシアニジンなどが含まれます。
フラボノイド類は、ポリフェノールの一種で、野菜や果物などに多く含まれる色素成分です。約6,000種類以上が存在し、それぞれ異なる構造と性質を持っています。
カロテノイド類
α-カロテン、β-カロテン、β-クリプトキサンチン、ルテイン、リコピンなどが含まれます。
カロテノイド類は、動植物に広く存在する黄色や赤色の色素成分です。有用な作用を持つことが知られており、中高年の生活習慣対策などの効果があると考えられています。
有機酸
リンゴ酸、キナ酸などが含まれます。
有機酸は、食品に酸味を与える成分として知られていますが、近年では高い有用性が注目されています。
不飽和脂肪酸
α-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸、パルミトレイン酸などが含まれます。
不飽和脂肪酸は魚や植物油などに多く含まれる脂肪酸の一種で体に必要なオイルです。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は、脂肪酸の一種です。とりすぎはよくありませんが、適度にとり入れる必要があると考えられています。
サジーの副作用やリスク
サジーには様々な栄養素が含まれ、美容や健康に役立ちます。 一方でサジーには副作用やリスクもあるのです。
胃痛や胃もたれ
サジーは酸味が強く、ph3~3.2ほどあるといわれています。
胃の内部の酸性度を補い消化吸収力を高める作用がある一方で、胃痛や胃もたれを起こす可能性があります。
過剰摂取によるリスク
ビタミンAの過剰摂取で脱毛、唇のひび割れ、皮膚の乾燥、頭痛などを、鉄分の過剰摂取で、便秘や胃腸障害、肝機能障害などを起こすリスクがあります。ただし、サジージュースの摂取そのものでビタミンAや鉄の過剰摂取になるリスクは低いといえるでしょう。
まずサジーに含まれるβカロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変換されるため、過剰摂取になりにくいです。次に鉄分ですが、通常のサジージュースを摂取してる限り、過剰摂取になることはまずありません。
というのも、鉄分の耐容上限量(健康障害をもたらすリスクがないとみなされる摂取量の上限)は成人男性50mg/日 成人女性40mg/日でありサジージュースに1日分に含まれる鉄分量は多くても10mg/程度だからです。
出典:「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書|厚生労働省
他方で、サジーは肝臓に負荷をかけます。サジージュースの摂取による薬剤性肝障害事例も報告されています。
医薬品との相互作用
血小板は血管が傷ついたときに集まって、傷口をふさぎ止血する働きがあります。サジーの果実から抽出したフェノール類にはこの働きを阻害する可能性があり、血液が固まらないようにする「抗凝血薬」や血小板のはたらきを抑制する「抗血小板薬」と併用すると、出血のリスクが増加する危険性があります。
サジージュースを安全に飲むには
少量から試す
サジーは栄養価の高い果物です。しかし、体質に合わない場合もあり、便秘や下痢になる方もいます。まずは少量から試し、体に合うか試すようにしましょう。
服用中の薬がある場合は、医師に相談する
服用中の薬がある場合、医師に相談してから摂取しましょう。
空腹時を避けて飲む
空腹時に飲むと胃腸を刺激する可能性があるため、食後に飲むようにしましょう。